IT業界を目指す学生さんあたりを対象に、「ソフトウェアテスト」という仕事の概要を述べた本。携帯電話やコピー機といった製品に組み込まれているソフトウェアのテストを念頭に置いているようだ。
読者にソフトウェア産業全般についての知識がないことを前提に、ソフトウェアテストの重要性について述べた後、テストが製品開発の比較的初期から始まる仕事であることが強調されている。製品開発が、開発担当者とテスト担当者の両者によって進められるものであることを述べた後、ホワイトボックステストとブラックボックステストの違いを取り上げ、テスト担当者の実施することの多いブラックボックステストの代表的な技法として「組み合わせテスト(直交表、All-Pairs法)」について少し多めにページを割いている。最後に、テストエンジニアが社会人として身につけるべき姿勢を、先輩からのアドバイスというかたちで示し、本書は幕を閉じる。
書名通りの「いちばんやさしい本」を目指し、専門用語を極力排除、サッと一読できる入門書に仕上がっていると思う。ソフトウェアテスト関係の本はあまり出版されていないが、巻末に参考書籍が数冊紹介されている。
テスト担当者を開発担当者と共に「製品の完成度を高める存在」としてとらえる見方、「100%のテストは実施不可能」という前提からテスト理論がスタートしている、という話が、素人としては新鮮でした。