日常的な孤独が深く、奇妙な行動に走ってしまう人々を描いた16の短編集。
泣けるような話しは一つもなかった。むしろ、文体にユーモアがあるため、笑える場面が多くある。
中でも、英国のウィリアム王子を妄想の中で恋人にしてしまう女性の話しや、寝室の外階段に深夜男が侵入している気配を感じ、恐怖して
いる女性を描いた短編は、かなりの傑作だと思う。
一文一文がとても短くテンポが良いので、すらすら読める。
また、人物の行動や思考の描写も的確で、展開が早いため、ミステリーのように物語に引き込まれていく。反面、読み終わった途端、読
んだ短編の具体的な内容やセリフなど、頭から消えてしまう。忘れた部分をもう一度読みたいと、繰り返し読んでみたが、また忘れてまた
読んでみたいと思った。この本は手元に置いて、ふと孤独を感じた時に読みたいと思う。この著者の新作が出たら、絶対に買いたい。