「将来の職業……魔王」
主人公の紗伊阿九斗は社会の役に立つために「コンスタン魔術学院」に編入したのだが、
人工精霊ヤタガラスにとんでもない予言をされたために巻き起こる騒動の物語。
個人的にとんでもなくストライクの作品だった。
この著者の他作品をいくつか読んでいるが、世界観の形成や物語への導入がとても巧いと感じる。
読んでいて違和感を感じないどころか、逆に惹きこまれるつくりになっている。
女性陣のけーな、絢子、ころねは、天然な無邪気・ドジな委員長・無口な悪ふざけ人造人間と住み分けがなされており、
担任の美津子、学園のマドンナ・不二子様といった裏の人格が表に出てきているような個性的な面々が脇をガッチリ固めている。
惜しいまれるのはそれに匹敵するだけの脇を固める男性陣がいないことか。
そこの面でバランスが若干悪いが、二巻、三巻と長い視野の元に制作されているようなので問題も解消しそう。
いろいろあげたが、一番の見所は主人公の紗伊阿九斗が最高にいい人物像から作られているところ。
本人はいたって真面目でいい奴、世のために正しいことをなそうと考えているのに、
思ったことをそのまま口にしたらいらぬ誤解を与えたり、体制批判をしてしまうところなどまさに予言どおり「魔王」なところか。
個人的に最近では「バカとテスト〜」以外でグリグリにおすすめしたい一冊。
ただやはり本屋で手に取るなり、冒頭の部分やイラストが自分に合うか判断してからでも購入は遅くないと思う。
痛いバットエンドではないし、そんなに購入して失敗するような作品ではないので気楽に読んで楽しんでもらいたいです。