1970年録音の作品です。
ナンセンス極まりないジャケ絵は、後にリトル・フィートの諸作品を手がけることになる、ネオン・パークのデザインによるものです。
この作品は、当時にして既に「編集も作曲の一つ」と言ってはばからなかった、ザッパのラディカルな方法論(コラージュやカットアップ)が端的に発揮された最もアヴァンギャルドな作品です。本作は普通ロックファンよりも、コアなザッパファンは、もとより、ある種のプログレ・ファンやチェンバー、現代音楽を聴きなれている人向きかもしれません。したがいまして、ザッパ初心者には、最もおすすめできない作品だと思っています。同時に、マザーズの初期作品群の中では、最もザッパらしいアプローチを見せた作品と言えるかもしれません。
参加メンバーは、
ザッパ(ギターとヴォーカル)、イアン・アンダーウッド(アルト・サックス)、バンク・ガードナー(テナー・サックス)、モーターヘッド・シャーウッド(バリトン・サックス)、バズ・ガードナー(トランペットとフリューゲル・ホーン)、ロイ・エストラダ(ベースとヴォーカル)、ジミー・カールブラック(ドラム)、アート・トリップ(ドラム)、ドン・プレストン(ピアノ、オルガン、エレクトリック・エフェクト)、レイ・コリンズ(ヴォーカル「オー・ノー」)、ドン・シュガーケイン・ハリス(電気ヴァイオリン)、ローウェル・ジョージ(リズム・ギターとヴォーカル)・・・何とそうそうたるメンバーじゃないですか。ちなみに、後にリトル・フィートを結成するローウェル・ジョージが参加していることで有名なアルバムですが、このアルバムにおいては、彼の存在感は地味です。
楽曲では、後半の、ザッパ自身が歌う「ギターでおふくろを殺してやりてえ」、レイ・コリンズの素晴らしい喉を堪能できる「オー・ノー」、それと当時のライブ定番曲で、メドレーでつながる感動的な「オレンジ・カウンティ・ランバー・トラック」、最後のシュールなライブ・ノイズ作品「いたち野郎」がこのアルバムのハイライトと言えるのではないでしょうか。
かなりとっつきにくい(感情移入しにくい)作品(特に前半)ですが、通して聴けるようになると、ザッパの凄さ、新しさがしみじみ感じられる傑作だと断言します。聴くのは、ザッパファンになってからでも遅くはないと思います。