ジャズ・ピアノの巨匠です。いつの時代に録音された音楽も、安定した演奏を聴かせてくれるオスカー・ピーターソンの存在をもう少し再評価されてもよいのではないでしょうか。
ひとことで言えば「饒舌」なピアノです。技術的に優れているのは勿論のことです。
元のメロディーのモティーフを様々なバリエーションで聴かせていく手法は、後のジャズピアニストに多大な影響を与えました。世間の人がイメージするジャズ・ピアノ演奏の典型でしょうね。そのトリオでの演奏スタイルは、今聴いても全く古さを感じないさせないばかりか、ハッとする鮮やかな冴えをみせます。
このCDに収められている11曲は、1964~1966年にかけていろいろと収録されたマーキュリー時代の演奏から選ばれたベストアルバムです。曲によっては、録音の保存状態もあって、高音の伸びが感じられないものもあったのが、少し残念です・・・。
このベスト・アルバムには、ジャズのスタンダード・ナンバーの数々が収録されています。有名な「いそしぎ」も、原曲から発せられるイマジネーションを元にどんどん変化し、また、元のテーマに戻る演奏スタイルは、クラシックの変奏曲の手法を利用しています。レイ・ブラウンのベースとルイ・ヘイズのドラムスも雄弁で、ピアノとの息がとっても合っていて、ご機嫌なスタンダード・ナンバーに仕上がっていました。
「星影のステラ」は、オスカー・ピーターソン・トリオのイメージそのものの演奏です。ベースもドラムスも邪魔にならないようにピアノをひき立て、そして上手くからんでいく見事な演奏でした。
「ミスティ」の華麗なるピアノタッチを聞いていますと、ジャズの巨匠の職人芸を見る思いです。デンマークのチボリ・ガーデンでの実況録音盤ですので、臨場感は抜群です。
これぞ「ジャズ」というイメージの演奏ですね。