内容紹介
臨床研究を実施する際に,研究計画を倫理審査委員会(IRB:Institutional Review Board)に申請することが義務づけられるようになったのは,わが国では最近のことです。10年くらい前までは,倫理審査委員会を通さずに行われていた臨床研究も決して少なくはありませんでした。 その重大な問題点に対して,最近ようやく認識が進み,外部委員も含めた倫理審査委員会が,個々の病院に設置されるようになってきました。また,疫学的な手法を用いた個々の患者情報を取り扱うような臨床研究については,事前に倫理審査委員会の承認を得ることが一般的になってきました。 そういう意味においては,倫理審査委員会に申請して承認を得たうえで研究をするというのは,研究の手続きのうえでは避けて通れないということになりますし,逆に倫理審査委員会に通すことは,研究事業を健全に開始し進捗させるための重要なステップであると考えるべきです。 この本では,臨床研究には避けて通れない1つの大きな山としての,研究に対する倫理性の吟味,さらに倫理審査委員会に自分の研究計画を申請して承認されるというところを,どのように越えていくかについて話していきたいと思います。
著者について
東京医療センター 教育研修部臨床研修科医長,臨床研究センター臨床疫学研究室長。