ハーバード・ビジネス・レビューは『論文誌』だ。論文と言うものは汎用性のある知識を正確に記述しようとする傾向があるため、これを読んだら『馬鹿でもすっきり判る』などと言うことにはならない。もし、そういうものを探しているなら他をあたるべきだ。
最新の情報が記載されているわけでもない。最新の論文は2004年のものだが、古いものは1991年のものだ。それぞれ「研究していた時には」正しかっただろうが、論文になった頃にはすでに時代遅れになりつつあるはずで、こうしてアンソロジーになった頃にはすっかり古くなっていても不思議は無い。
にもかかわらず、私はこの本の評価を星4つとした。過去の事例は「見るべき人が、適切なタイミングで読めば、最新の問題に当てはめられる解決策を示唆している」事が多いからだ。論文集は基本的に時系列でまとめられており、共通のテーマではまとまっていないから、こういうアンソロジーの形でまとめ直してある本はとても重宝する。
この本は「時間」に関する話だけなので、従業員の生産性効率から、ビジネスのJITモデルまでいろいろなレベル・レイヤーについて「時間」を評価軸にしたものが集められている。個人的には第3章の「Creativity Under the Gun」が参考になった。
即効性を必要とするのでなければ、読んで見る事をお勧めする。