いつの間にか「ポニョ」の大ヒットで知名度が上がってしまった藤岡藤巻ですが、もともとはサラリーマンやオヤジの悲哀を歌う異色のデュオです。この本は藤岡藤巻によるCD付き短編小説集。
小説の内容は、これまでの「ポニョ」以外の作品に共通している「オヤジの愚痴のような話」を期待していたのですが、星新一のショート・ショートのような軽いSFやらHPですでに公開していたスーパーのレジの話、私小説っぽい話まで。いいように表現するとバラエティに富んだ内容です。やたらと改行が多く、なんとなく字が大きいというのはオヤジ世代に配慮しているのでしょうし、厚いわりには2時間程度で読めてしまうというのも忙しい世代に配慮しているのでしょう。
個人的には目当てはどちらかというと付属のCDでした。短い曲が多いとは言え、新曲ばかり10曲も入れて、どうして「3作目のオリジナル・アルバム」ということにしなかったのか謎です。本を付けて2000円では損だと思わなかったんでしょうか(これまでCDは3000円ぐらいで売ってたのに)?
曲はすべて短めにアレンジされていて、10曲トータルで20分程度しかありません。J.レノン、ベンチャーズ、B.ディラン、S.ワンダーに対するオマージュを感じさせる作品から、演歌・ラップ・ディスコ風の曲まで節操無い変化に富む内容です。これまでの作品に比べるとインパクトが乏しい気がしますが、「週末」だけはすごい傑作!これはちゃんと次回アルバムで「完全版」をやって欲しいかなぁ。