明日香は、大衆演劇の役者で一週間だけ学校に来る、期間限定の転校生です。潤はふとしたことから知り合った明日香にそれとなく近づきます。しかし、明日香は潤に別人のような態度をとります。
ある日、明日香に助けられた事件をきっかけに、潤の心は明日香にかき乱されていきます。潤が出来ないルール破りを難なくやる明日香への嫉妬と憧れが、潤の視点で描かれています。
明日香が学校から去る最後の日、潤は明日香にも超えられないものがあることを知ります。最後の場面で、潤は自分の思いを明日香に伝えることはありません。明日香の孤独に気付いた潤と、今の暮らしの中で気丈に振舞う明日香の自然な描写が心に残ります。
明日香が心の支えとしているものを知った時、誰もが弱さを抱えていることを私は感じました。それは、ひりひりとした痛みとなり、私の心に今も残っています。