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あゝ、荒野 (角川文庫)
 
 

あゝ、荒野 (角川文庫) [文庫]

寺山 修司
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

60年代の新宿。家出してボクサーになった”バリカン”こと二木建二と、ライバル新宿新次との青春を軸に、セックス好きの曽根芳子ら多彩な人物を配して繰り広げられる、ネオンの荒野の人間模様。

内容(「BOOK」データベースより)

1960年代の新宿―。吃音と赤面対人恐怖症に悩む“バリカン”こと建二と、少年院に入り早すぎた人生の挫折を味わった新次は、それぞれの思いを胸に、裏通りのさびれたボクシング・ジムで運命の出会いを果たす。もがきながらもボクサーとしての道を進んでいく2人と、彼らを取り巻くわけありな人々の人間模様。寺山修司唯一の、珠玉の長編小説。

登録情報

  • 文庫: 363ページ
  • 出版社: 角川グループパブリッシング (2009/2/25)
  • ISBN-10: 4041315336
  • ISBN-13: 978-4041315330
  • 発売日: 2009/2/25
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 辰己 トップ100レビュアー
形式:文庫
寺山修司が世間の注目を一身に浴び始めた1966年に、この小説はかかれている。
当時の修司は、俳句から短歌を経て、天井桟敷を立ち上げていた。
まさにマルチな才能を発揮していた頃だ。

この本は、「小説」らしい起承転結のようなものが希薄で、流されるように
ポップな雰囲気でエピソードが重複的に並べられる。
しかし、それらのエピソードが密接につながっている。

時折、挿入される短歌や詩が、いい。

とくに、全15章の章扉裏に書かれた短歌は秀逸だ。
もちろんこれらの短歌は、当時すでに発表されてたものがほとんどだが、
妙にストーリーと合っているのだ。

まるで「音楽」が聞こえてくるような小説である。
このレビューは参考になりましたか?
15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 700ページ、十五章(15ラウンド)に及ぶ<寺山・小説>×<森山・写真>のタイトルマッチ(と言っても、その関係性は“ガチンコ”と言うよりも、寄り添うような、本書の新宿新次、バリカン戦のアニキ・弟分関係を想わせる)。寺山は「あとがき」でこの小説の意図をこう記している。「ふだん私たちの使っている、手垢にまみれた言葉を用いて形而上的な世界を作り出すこと」。歌謡曲の一節、スポーツ用語、方言、小説や詩のフレーズのコラージュによって垣間見る「もう一つの世界」。そして森山の写真もまた同様のコンセプトを持つ。日頃見慣れた風景の羅列が「もう一つの世界」を垣間見せてくれる。森山が「あとがき」で「寺山さんのレトリックやメタファーやドラマツルギーのほとんどがぶち込まれていて、他に類のない長篇叙事詩」と評しているが、「あゝ、荒野」はまさに、寺山修司の集大成、“寺山ミュージアム”といった趣がある。

 概要は2人の「あとがき」の通りなんだけど、この面白さは、勿論700ページを「見て」「読んで」はじめて味わうことが出来る。

 「荒野」とは何か?それは、“真っ暗な口のなか”であり、“一望のネオン”である。都市の荒野、ニキビの荒野、「非政治化」の荒野、性の荒野、シーツの荒野、四畳半の荒野、酒場のカウンターの荒野......、荒野は時と場合でその姿を変える。そして、荒野で生きていく人々は、誰もが拙く人との関係性を紡ぎ、自らの存在を確かめる。それは盗むことで人から憎まれることだったり、殴り倒されることでのっぴきならない関係を得ること、だったりする。その悲しさって今でもリアルだ。

 寺山のアフォリズムの数々は40年が経った今でも錆び付いていない。それどころか当時よりもさらにディスコミュニケーションが進行する現在、その洞察力、彗眼はますます存在の重みを増しているように思う。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By taiper VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
面白かった。

著者があとがきで、今作はキャラクター設定だけ決めておいて、あとはジャズのように即興で思いのままに筆を走らせたと書いたあるように、小説としては最近よく言われる『伏線の回収』というのはまるでされていない。でも人の人生ってすべてが繋がっている訳じゃないし、回収できない伏線なんか腐るほどある筈だ。だからこそこの小説からはリアルな人の息吹を感じるのだ。
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