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本書に収録されているのは,情報と不確実性の経済学や社会経済学などの分野で現在も頻繁に引用されている,いずれも有名な論文ばかりである(特に「レモン市場」論文はミクロ経済学の教科書にも載っているほど).主流派経済学的なモデル分析に,社会学・人類学・心理学的要素を取り込む手法を堪能できる良書である.
これだけでも購入する価値はあるのだが,加えて,本書の詳細な訳がすばらしい.アカロフ自身「印刷ミスは皆無だと信じていた原著について多数の誤りを指摘し,正しい表記をしてくれた」と言っているほどだ."cognitive dissonance"を「認知的不協和」ではなく「認識の不一致」と訳したのはご愛嬌.訳自体だけではなく,訳注による説明も詳細で,本文の理解を深めてくれる(特に「レモン市場」論文の訳注は秀逸).
これが3000円以下なのだから,たとえ英語を苦もなく読めたとしても,訳本を買ったほうがいいかもしれない.
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