初めに原作の小説を読んだのですが、正直言って原作のほうはあまり好きになれませんでした。タイムトラベルした後の主人公の様子や、憧れの女優に対するアプローチ等に魅力を感じる事が出来なかったからです。不思議な運命によって結ばれた二人の恋物語というよりは、主人公の身勝手で強引な想いによって人生を狂わされた女優の悲哀のほうに思いが行く、そんな感じでした。 ところがどうして、この映画は完璧にオリジナルを超えてくれました! 時代を反映してか、女性解放論のような、いささか余分にも感じられる主張をヒロインに重ねていた原作のもたついた部分をバッサリ切り捨てたのは、見事でした。主人公の病気だとか締め付けの厳しい母親などオリジナルに有って映画には無い部分も多々あるのですが、ポイントを二人のラブストーリーに絞った事で大成功を収めたのだと思います。過去に戻って、いにしえの女優と激しい恋をするという、不思議で切ない、極上ののラブロマンスです。 この作品は男性ファンも多いんですよね。景色も衣装も音楽もとびきり素敵です。特典で語られている通り、作り手の揺るぎない熱意とこの作品に対する温かい愛情が、この佳品をこれだけの名作に押し上げたのだと思います。 大事に大事に取っておきたい、私のお気に入りの一品となりました。