第9回小学館文庫小説賞優秀賞受賞作品。
大学1回生から引きこもりになって3年になる主人公比良山文也の家は、母はアル中、妹はヤンキー、父は仕事とバラバラだった。
そんな家が父の失踪借金付きでヤクザである岩田が乗り込んできて、変化せざるを得ない状況になってくる。
その変化はヤクザである岩田が加わることで、家族として機能していなかった比良山家が、あろうことか岩田を軸に家族になっていく。
最初読み始めた時は、失踪した父と岩田が組んで家族再生を狙って偽りの失踪でもしたのかと思っていたが、本当の失踪だと分かるにつれ考えさせるものがある。
自分の人生と、家族を含む人生を、同一視出来ない人が家族に居たとしたら。
家族なのに縁を切らなければならない問題。
読み終わると考えさせるものがある作品だが、全体の構成が少し安直なので感慨にふけるまではいかない。