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「モノレールねこ」加納朋子。10年前、携帯メールが発達していなかった頃、小学六年の二人が実物の猫を通して小さな手紙のやり取りをする。相手の事はなにも知らない。「聞いておどろけ、なんと百点だ。」「え、ほんと?すごいじゃない。」「ウソだぴょーん。」もちろん野良猫が介在するのだから、これだけの会話に何日もかかる。しかし、いまだ会った事も無いメル友を持った事のある人は了解するだろうが、なんとも心温まる物語なのである。もちろん小説なので、ひとつの悲劇とひとつのあっとおどろく展開もある。しかしそれは付け足しである。
「光の毛布」中山可穂。好きあっている二人の恋愛関係が壊れていく物語。彼女が転職して設計事務所に勤めたからだ。小さな会社なので、24時間働くような生活が続く。男はそれが我慢できない。女はそんな一昔前のような男の事を嫌いになれない。男も嫌いになれない。そして二人は別れる。しかし、ラスト読者は少し感動するだろう。失っても人は全てを失うわけではない。
「届いた絵本」光原百合。別居している親を持つ女の子は自分の中でどのようにその事を消化しているのだろうか。この女の子は賢すぎるのかもしれない。父親のプレゼントはあまり意味が無かったのかもしれない。けれども私はその賢さを愛する。
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