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アニメは50話ほどの長い作品なので、エピソードはかなり削られているはずですが、肝心なところはちゃんと押さえられていて、特に不満には感じませんでした。アニメのシーンが目に浮かぶようです。二回泣きました(笑)。
文庫としては少々高いですが、付録CDにちゃんとエンディングテーマも入っていたのは良かったです。シングルCDに文庫が付いていると考えればお買い得でしょうか。
地図、時代背景、放映当時の年表、などのオマケ要素も楽しめました。TARAKOさんの解説も良かった。アニメを全部見るのは大変ですし、「完結版」はちょっと物足りなく感じたので、「あらいぐまラスカル」を手軽に楽しむには最適な商品ではないでしょうか。
今後シリーズ化されるようなので、アニメを見ていない作品も読んでみたいです。
スターリングは「森に帰るのがラスカルにとって幸福なのだから...」と言う。そしてスターリングも中学に進学し、大学を目指すことを自らの「幸福」とする。これで物語りは終わる。この部分は現在の我々にあることを語りかけていると私は思った。すなわち、「僕(スターリング)はラスカルと別れて、中学校に行くことを僕の『幸福』にしたけれども、では読者の皆さんにとって『幸福』は何ですか」とスターリングが読者に問いかけているようであった。我々にとって「幸福」とは何であろうか。
現在世界を見てみよう。権力者Bとその仲間たちは権力者Sを明晰判明な証拠もなく「脅威」と言うレッテルを貼って捕虜にした。権力者Bたちはこれで世界は「幸福」になると言っている。
いくつか疑問がわく。本当に権力者Sは「脅威」であったのか。「幸福」を享受する世界とは一体誰のことか。そしてこの「幸福」の獲得の仕方は正しかったのか。
少々固い話になってしまったが、私たちの「幸福」とは何であろうかと考えさせてくれた一冊であると私は思う。
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