うーん、始まりから、ヒロインが肝心な記憶を失っている、と言うのは自分には思った以上に読みにくかったです。
彼女が何者かもわからないし何を考え、どう感じるひとなのか?。好きになれるか嫌いなタイプなのか判断しかねるので話が進んでも入り込めなくて。
彼女が手探りで進むのに読者も一緒にドキドキすべき作りなのでしょうが、「ここはどこ、私は誰、あたは何?」を失ったって事を過大評価してしまい、ちびちび記憶が戻っても肝心な事がいつまでもわからないけどどうするの?と思って読んでいました。まあそれは、最後まで行っても「だからか!」とは納得できなかったのですが…。
記憶を取り戻すきっかけも些細、かつ一番大事な気持ちは抜けっ放しなので結局モヤモヤ。ヒロインいちきにとって思い出みたいな記憶が戻っても、決定的な「彼を好き」描写や過程はなくて、彼女があっちを切ってこっちを取った流れに説得力が無かった。
ラストスパートでバタバタと種明かしみたいになるけれど、いちきと彼女を想う百雷の気持ちも含め自分の中では何も盛り上がれないまま、あら?終わってしまった。
ヒロインの秘密(?)もすごいワイルドカードで、都合良すぎに感じました。…、寿命限りって、事故は助けても老衰は助けてくれないって事?病気はどうするの?。人造生命体って設定も、どう人造なのかとか面倒臭い部分は潔く割愛されていて、それが持つルールがわからないし。
この作者さんの、別レーベルのラブが楽しかった占い系SF風のラノベ作品も、世界設定に関する謎はウヤムヤなまま完結してしまったので、そっちに重きは置かない主義なのかな?。いちおう、次巻もあるのでこのモヤモヤは解消するのか。少なくとも、この巻だけでは私は消化不良です。