「店員に勧められて買ったけど、一度も着ていない服」
「何のために買ったのか思い出すことができない雑貨」
「途中であきらめたダイエット器具や健康食品」」
「すごく欲しかったのに、1回しか使っていない便利グッズ」
「旅行先で買ってきたけど、行き場を失っているお土産」
「最初の10ページぐらいしか読んでいない本」
これらのうちの1つや2つは、心当たりありますよね。
中には、いまだに後悔しているものもあるでしょう。
実は、こうしたヤっちゃった買い物の裏側には、
「マーケティングの力」が介在しています。
逆に言えば、その「マーケの力」がわかりさえすれば、そんな買い物は激減し
ます。
また、もしあなたが何かを売る仕事をしているのなら、
売りたい商品やサービスを何倍も魅力的に見せ、売り上げを伸ばせます。
つまり、「賢い消費者=したたかな売り手=マーケをわかっている人」なので
す。
そうした人たちは、自分の会社の利益を守りながら、お客さんも十分満足する
商売をしています。
逆に、お客さんの立場でも、巧妙な売り文句や目先のおまけや安売りにすぐ
に釣られるのではなく、店とのやり取りを楽しみながら、おトクな買い物をして
います。
また、いち早く儲けのネタに気づいて、大いに先行者利得を享受しています。
では、その「マーケティング思考」を身につけるにはどうすればいいか。
マーケティングの専門用語を暗記したり、最新理論を取り入れる努力をす
る......、
というのは面倒くさいですね。
しかも、それらの用語や理論を披露する場ってなさそうです。
たしかに、マーケターやコンサルタントなど、マーケティングだけでメシを
食っている人には、そうした努力は必要かもしれませんが、その他の多くの普通
の人にはそんな苦労は必要ありません。
また、「マーケ思考」を身につける上で大事なのは、そうしたマーケティング
の知識の詰め込みよりも、その本質をつかむことだったりするのです。
では、どうすればよいか。
それは、ほんの些細なことです。
私たちが普段生活している日常を、ちょっと気をつけて見てみる。
それだけでよいのです。
冒頭に挙げたとおり、日常、私たちの身の回りには、
考えようによっては「あやしい」ヒット商品、人気サービスがたくさんありま
す。
たとえば、
・数年前まではあまり見かけなかった体臭対策グッズや敏感肌向け化粧品
・里山で拾ってきただけの小ぎれいな葉っぱ
・納車まで1年かかるか2年かかるか不明な高級スポーツカー
・富士山の9合目で売っている1000円のカップラーメン
・誰が買うのかわからない1億円の福袋
・高機能な割にやけに安いプリンターや携帯電話
・歩行者天国で踊っている明らかに仕掛けのあるピエロの紙人形
・夫が妻への罪ほろぼしのために買うドラム型洗濯機
・毎週のように封切りされる「全米ナンバーワン」の映画
など、活字にしてみると、余計に引っかかる不可思議なものばかりです。
でも、これらが売れるのはそれなりの、ごくまっとうな理由があるのです。
本書では、そうした日常のあやしい買い物が成立する理由をマーケティングの
視点で解き明かしています。
ただ、マーケティングと言っても、専門用語や複雑な図、小難しい理論は出て
きません。
なぜなら、大事なのは用語を暗記したり、理論を説明したることではなく、す
ぐに使える「マーケティング思考」を身につけることですから。
かなりユルめに書かせてもらいましたので、どうぞ肩の力を抜いてパラパラと
ページをめくってみてください。
「マーケティングって何?」という方でも、最後まで一気に読んでいただける
はずです。
あなたが買い物で後悔しない消費者、お客さんに喜んでもらいながら売り上げ
を伸ばす売り手になるために、本書がお役に立てれば幸いです。
2007年6月
著者
(「はじめに」より)
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