この本は、臨死体験を経たウィル少年の154日間の日記の形式をとっています。
「ぼくも死んだんだ。」と言う文から始まります。「も」という助詞が使われているように、一緒に死んだ人がいます。それが、妹のウェニーです。
日記は、ウェニーに呼びかける手紙の形を取って、綴られてゆきます。
彼は、この日記を書くことによって、妹を守れなかったという悲しみから徐々に回復してゆくように思えます。と同時に、彼が非常に大人びてしっかりしているように見えます。でも、その裏側で、両親の深い悲しみが一方にあります。その両親の悲しみを見るにつけ、彼は表面的には悲しめないのかも知れません。実際、両親の悲しみは「家族」の崩壊に向かってゆくかのようです。それを救うのが、少年の素朴な妹への愛情です。
ラストで、父親の「なぜウェニーだったんだ?」と言う言葉を少年が聞いてショックを受けていたことがわかります。確かに、大きなショックで自らの悲しみに覆われて、周りの人に対する配慮に欠けた言葉を吐いてしまうこともあるでしょう。でも、この言葉は、親として決して言ってはならない言葉でしょう。この言葉によって、少年の方がうんと大きな痛手を受けているでしょう。その子どもに救われるというのは、非常な皮肉です。
日記という形式を使っていることで、非常に読みやすい文章になっています。それだけに、ラストでの一言が明かされた時の衝撃はおおきなものがあります。