シャーリーズ・セロンは、その美貌と反し、「モンスター」、「トリコロールに燃えて」、「スタンドアップ」といった社会に照らし合わせた重い愛の形を描いた映画への取り組みが多いですが、この作品でも重苦しく描いたものです。
とある行為により、取り返しのつかないことになってしまった過去を何年も引きずって”贖罪”することをテーマにしており、邦画タイトルにあるような”欲望”云々といった軽々しい艶めかしさでは済まされない、まさしく原題の「The Burning Plain」のごとく、その”懺悔”への足取りを追う物語なのです。
シーンは、時系列のない同時進行のような形で、5つの事象が混じり合っており、最初は何が始まっているのかと戸惑いを隠さずにはいられないかもしれませんが、最終的にこの5つの事象がひとつに折り重なるのです。
そういった仕掛けは、後半にエスカレーションするよう、きもちの盛り上がりを増長させるものであり、巧妙に作り上げていると思います。
感情を押し殺し、身を傷つけながら懺悔をしても拭いきれない、逃げようとしても逃げ切れないというところから、ひとつの消えかかりそうな灯火をたよりに、ようやく贖罪できたといった、つらくて切なくてダークなお話です。
それに、思春期にある多感なころのジェラシー、穢れを嫌うところ、行為に対する自傷といった複雑なこころの中を覆いかぶせて、深くて重みのあるストーリーに仕上げています。