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51 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
熱い本である。素晴らしいノンフィクション!,
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レビュー対象商品: あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅 (単行本)
著者は日本の戦後を「戦争を忘れようとしてきた時代」だと言う。そして今や「忘れようとしてきたことすら忘れているのではないか」とも書く。 著者は残留孤児の子供として生まれ、「久枝ちゃんのお父さんは中国人なの」と言われた。 そのため、無意識のうちに「中国」を遠ざけてきた。 しかし成長するに従って、父が27歳まで過ごした「中国」と 「あの戦争」について、もっと知りたいと渇望するようになる。 約10年をかけての聞き取りを経て出来上がった渾身の一冊である。 ノンフィクションというと、対象から一歩離れて冷静に描写するものが多い。 しかし本書で著者が取り上げている対象は、父と自分である。 父の歴史と自分史が交錯する作品は、思い入れの強さからか危ういほどの熱さを帯び、 小説も及ばないような訴求力を持った。 著者自身の揺れる心境がそのまま吐露されており、 また父の中国時代の生活も、非常によく取材されて書かれている。 「あの戦争」がもたらした数々の悲劇を少しでも多くの人に知って欲しい、 そういう熱い思いの伝わってくる力作である。
27 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ジャンルの特徴を生かした良質なノンフィクション,
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レビュー対象商品: あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅 (単行本)
中国残留孤児二世でフリーライターである城戸久枝さんの本。前半は父、城戸幹さん、後半は久枝さん本人のストーリーという構成でつづられている。敗戦時の混乱により、一家は離ればなれ、城戸幹は中国人夫婦に育てられる。日本人だという理由で二度大学受験に失敗、文化大革命に翻弄されつつも、自力で肉親探しを続け、70年に帰国を果たす。中国と日本が国交を回復する前のことで、それはとても希有なことだったらしい。 幹は故郷の四国に戻って結婚、三人の子供をもうける。本の作者である久枝はその次女である。彼女は自分のルーツがある中国、旧満州国との関係について次第に気がつくようになる。そして留学をきっかけに、希有な経験の末に帰国した父、満州国軍軍人だった祖父の過去に真剣に向き合うようになる。その課程で日本と中国の間に横たわるナショナリズムに翻弄されたり、帰国を果たした残留孤児たちとの交流を続けていく。 前半部分を読んでいたとき、父親の苛烈な半生が淡々と書かれすぎている印象を持っていた。もう少しページを割いても良いのではないかと。 一方で後半の彼女のパートは留学時代のこまごまとした生活模様はページを割きすぎだと読んでいる途中は感じていた。彼女が父のことを調べる課程も前半とダブるから必要ないと。 しかし、最後の50ページほどで物語が収斂していくところを読み進めているうちに父と娘半分ずつというページ配分がもっとも必然的な構成だと考え直した。父の半生、そしてそれを調べた彼女と二度書くことは事実に立体感を与えているのだ。 彼女はガツガツ調べていない。父親に何が何でも聞き出そうとはしていない。そのヘンのゆるさが親子の関係ってなんだろう、とか、人は過去をどれだけ話せるものなのか、といったことを考えさせられる。 結果、彼女が調べても、手遅れでわからなかったことも多いのだが、「わからない」ということを記述することで、「あの戦争」がいかに風化していってるのかを強く実感させられた。わかったこと、わからなかったことをまるごと書くという手法は映画や小説とは違う、ノンフィクションというジャンル特有の醍醐味を存分に味わせてくれる。
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本と中国の家族を見つめる旅,
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レビュー対象商品: あの戦争から遠く離れて―私につながる歴史をたどる旅 (単行本)
【あの戦争から遠く離れて】日本と中国の家族を見つめる旅団塊ジュニアといわれる世代、日本人として日本で育った私にとって、戦争といえば、「第二次世界大戦」「広島・長崎の原爆」のこと。 しかし、社会科の教科書に掲載されていた白黒の写真や、アニメ映画「ほたるの墓」から得たイメージしかない。 その時代を生きた祖父母から話を聞いても、どこか遠い昔話を聞いているような気がしていた。 戦争について書かれた本はたくさんあるが、手に取る前に、悲惨さ、暗さ、重さを感じ取ってしまって、積極的に「読もう」という意欲が沸くものではなかった。 大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した「あの戦争から遠く離れて」についても、最初は、そうした「戦争もの」という先入観をもっていた。 しかし、読み始めると、ページをめくる手が止まらなくなった。 この本の軸にあるのは「家族」だからだ。 この本は、著者の城戸久枝さんが、中国残留孤児である父親・城戸幹さんの半生をたどったルポである。 父親の過去についてだけではなく、久枝さん自身が2年間の中国留学生活で体験したこと、幹さんを育てた養母やその親族との交流から感じたことも綴っている。 久枝さんが1976年生まれだと知り、また、本書に目を通す中で、私自身と同じ世代だという意識が強くなった。そのため、幹さんを私自身の父親と重ねて想像することも多かった。 幹さんの中国と日本の家族に対する思いや、久枝さんの父に対する思いを感じて、胸が熱くなった。 本書では、戦争や戦後の中国で残留孤児が体験した苦労についても触れているが、戦争の悲惨さよりも、人と人のつながりの価値や、人の「縁」が人生に大きな影響を与えるものであるということを感じる。 幹さんの娘である久枝さんだからこそ、中国に対して一定の距離感を保ちつつ、しかし、一方で、「他人事ではない」という親近感も持ちながら、あの戦争から現在につながる1人の孤児の半生を記述できたのではないだろうか。 この本を書くことは、父親の半生を掘り起こして記録することであるとともに、久枝さんにとっては自身のルーツをたどる取り組みだったのだろう。 「あの戦争」は、遠い過去のものになりつつある。しかし、それは決してなくなるものではなく、あの戦争があった時代を生き抜いた人がいたからこそ、今の自分があるのだということを再認識させられる。
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5つ星のうち 5.0
胸が詰まる至高の一冊
中国残留孤児の父の軌跡を娘が辿ったノンフィクション。 戦争の意味やそれに翻弄された人々、... 続きを読む
投稿日: 13か月前 投稿者: capit2002
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