ベタで、ともすれば陳腐になりがちな設定を「中村航」というフィルターを通すとこんなにも爽やかに、かつ切なく描き出すことが出来るのだ。
そこにあるのは感情の動きを表す激しい語気の往来ではない。
淡々と、時にはユーモア溢れる軽快な言葉のやりとりで綴られている。
そして、それらが幾重にも折り重なり
まるでその言葉のひとつひとつが、互いに化学反応でも起こしたかのように 主人公たちのまっすぐで正直な想いを読み手の心にストレートに伝えてくる。
読み手は自分の中学時代の想い出を掘り起こすかのごとく、懐かしさとちょっぴりの切なさで 主人公たちの心に寄り添い、エールを贈りたくなるのだ。
小難しいことはさておき、
「人生でいちばん笑わせた人」
のそばで時を過ごすことが出来たら人間は幸せだろうし、そう思える人が存在するのはなんて素敵なことだろうとシンプルに思わせてくれる一冊です。