卵・バターを使わないお菓子の本です。菜食のお菓子の本だと妙に工程が複雑だったり、味噌などを入れて複雑な味で、食感ももったりと仕上がるものが多いのですが、この本は違います。
これがまさに最小限だと考えられる誰の台所にもありそうな材料と、これ以上簡単に出来ないだろうと思われる工程、というか、泡立てなど一切なく基本的には混ぜるだけで、現代的な味と軽い食感のケーキができます。
まだ、私がつくったのはパンデピスとガトーショコラだけですが、パンデピスのスパイスの組み合わせはまさに異国の味、ニューヨークの高級なお菓子屋さんで食べたケーキの味がしました。でも甘すぎない、軽いのです。ガトーショコラも、オレンジとコーヒーの香りがスパイスになって、濃厚なのにしっとりふんわり軽い食感。
これから作ろうと思っているビターココアカップケーキを見ても、豆乳などではなく、あえて単なる水を水分に使うのも、手抜きではなく、ココアの香りを解き放つにベストなのは何か、という深い知見に基づいているのが見てとれます。
全ての材料、全ての工程に、出来上がりの味と食感へ向けた意味があります。単なる卵・バターを使わない、という枠を超えて、美味しいお菓子を成り立たせる最小限の材料・工程は何か、を常識にとらわれず極限まで追求した洗練のレシピといえます。
と、求道者か研究者か、とも思える著者の姿勢は背後にありながらも、本自体は、とってもユーザーフレンドリー、何のお菓子作りの経験もない人も、深く考えなくても、これまでよりずっと気軽に美味しいお菓子が焼ける本です。
追記:
そのあと、キャラメルくるみケーキ、オレンジパウンド、バナナ&シナモンマフィン、ビターココアカップケーキを作りましたが、どれもハズレなし。 一瞬で出来て、美味しい!