堕落しきった悪党が、芯のしっかりしたヒロインに会って、惹かれていって..
ヒロインのことを思えばこそ、その魅力に抗い、離れようとするヒーローと、ヒーローに素直に想いを表すヒロイン。これで面白くない筈がありません。とにかく、過酷な生い立ちのヒーローが魅力的です。売れる物は全て、それこそ良心も体も売ってのし上がった孤独なヒーローが、いかに変わって行くのかが、みどころです。とはいえ、ヒーローがヒロインのどこに惹かれたのか、もっと掘り下げて欲しい面もありますが。
原題「Dreaming of You」が本書を十二分に表しています。
ロンドンの下町訛りなど、日本語の表現では何となく違和感を拭えませんが(といっても、英語のニュアンスがわかるわけでもありませんが)、それでも十分雰囲気は伝わってきます。
「冬空に舞う堕天使と」に通ずるものがありますが、本書の洗練版(貴族版)が、「冬空〜」といったところでしょうか。勿論、「冬空〜」とは雰囲気も展開も違いますが、「冬空〜」が気に入った方にはおすすめです。(若かりし頃のエヴィのパパも出てきますしね)