考え方としては、本当に正しいと思うし、素敵なアイディアをいただいた、と感謝します。著者のライフスタイルをうらやましいと思いますし、是非、見習いたいものだと思います。そういう意味ではこの本に感謝します。
しかし、「成功」した人間としての著者の行動には賛同できません。成功=物欲(過剰な消費)だけではない筈なのに、そのことばかり。北海道でのハンティングや熱海市の地元振興以外、世のため社会のための貢献が全く書かれていない。アメリカでパーティのやり方を学んだというが、アメリカ人ならバフェット氏のような超有名な金持ちから、ごくごく一般的な無名の人まで、成功者であればあるほど寄付はするもの、というコンセプトは学んでいないようである。成功しても、全ては自分の物欲と成功誇示のため、としか思えないから、一部読者が違和感を覚えるのではないか。
また、戦前生まれに特有の、偏った西洋かぶれも見苦しい。銀座のすばらしさを繰り返し語りながら、和服や日本の伝統的な工芸品などについては、ほとんど語られない。本当の金持ちは、ものすごくお金のかかる和服を、さりげなく着こなしているものです。どれほどお金と時間をかけなければいけない、などと声高に語ることなく。銀座へ毎週末のように出かけながら、鳩居堂どころか歌舞伎座へも出かけたことが無いようです。
年間あたり千万円単位で赤十字などに寄付している人が、数百万円のロレックスを銀座で購入したり、クルーザーを所有し、複数の外国車を乗り回しているならばともかく、この本だけを読んで、著者が本当の意味での「成功者」と万人が受け入れると思っているあたり、浅はかである、と私は思います。
ホリエモンに惹かれ、ライブドア株(当時)に投資した人達に高齢者もいた、と聞きますが、この本を読んで、そういった世代の思考回路がちょっと分かったような気になりました。