表紙の絵から「詐欺に騙されないための本」くらいに思っていたが、もっと骨太で、
社会心理学とか広告技法とか、そういう分野について様々な研究結果をもとに書かれていて非常に面白かった。
敢えて言うなら、「はじめに」の部分が退屈なので、そこは読み飛ばした方が良いかもしれない。
いくつか非常に面白く感じた部分があったので、少し紹介したい。
まず、以下の質問について考えて欲しい(できれば、回答を紙に書いた方が面白い)。
1.トルコの人口は3000万人より多いか否か?
2.トルコの人口をできるだけ正確に見積もるとどれくらいか?
さて、答えを用意して頂けただろうか。
ここでタネを明かすと、質問1の「3000万人」というのは適当に選んだ数字であるが、
多くの人の2の回答がこの3000万という数字に影響されてしまうらしい。
なお、実際のトルコの人口は7000万強である。
この他にも様々な心理的誘導とも言うべき手口が紹介されている。
例えば商品の値段についてだが、日本で言えば「1000円」より「980円」のように、
キリのいい数字より端数のほうが安く感じられる。
また、「1000円が600円になる」よりも「980円が580円になる」
というほうが値引きの幅が大きいように感じられる、といった話もある。
お気に入りは、ダマされないために別の視点から問題を見直すというテーマで書かれていたこのジョーク。
若い司祭が司教にたずねる。
「祈りながらタバコを吸ってもよろしいでしょうか?」
司教はきっぱりだめだと答える。そのあと、若い司祭は、
祈りながらタバコを吸っている先輩司祭を見つける。若い司祭は彼に注意する。
「祈りながらタバコを吸っちゃいけません! 司教にたずねたら、ダメだと言われました」
それを聞いた先輩司祭、
「そりゃ変だな」
続けてこう言う。
「タバコを吸っているときに祈っても良いですか、とたずねたら、どんなときでも祈っていいと言われたよ」
似たようなお勧めの本に、
『
デタラメ健康科学---代替療法・製薬産業・メディアのウソ』
がある。これも読む価値あるので、ぜひご一読を。