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あなたは誰?私はここにいる (集英社新書)
 
 

あなたは誰?私はここにいる (集英社新書) [新書]

姜 尚中
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

祈りと再生への道筋を標した人生哲学の書
人気美術番組の司会役を務めた著者が、デューラーやベラスケス、沈壽官など、古今東西の絵画や彫刻を通して、現代の祈りと再生について論じる。芸術鑑賞とは、究極の「自己内対話」である!

内容(「BOOK」データベースより)

ドイツ留学中の著者は、五〇〇年前のデューラーの『自画像』から啓示を受けた。「私はここにいる。お前はどこに立っている?」。絵の中の同じ二八歳の男は、鬱々とした内面の森をさ迷う在日の青年に、宿命との対峙を突きつけたのだ。三〇年後、人気美術番組の司会を務めた著者は、古今東西の絵画や彫刻の魅力を次々に再発見していく。ベラスケス、マネ、クリムト、ゴーギャン、ブリューゲル、ミレー、若冲、沈寿官―。本書は「美術本」的な装いの「自己内対話」の記録であり、現代の祈りと再生への道筋を標した人生哲学の書でもある。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/9/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087206092
  • ISBN-13: 978-4087206098
  • 発売日: 2011/9/16
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
期待を裏切らない内容でした。芸術、特に絵画作品や画家に関する書物を私は好んで数多く読んできましたが、これほど自分の心情にぴったりくるものはありませんでした。著者をテレビ等で知っており絵画芸術に造詣が深い方々が、本書をお読みになると思いますが、きっと多くの方が画家と作品に自分の心象を重ね合わせるこの著作を理解し、著者とその思いを共感できることと思います。一方、作品や画家に対する解説が少なく分析や掘り下げが不足していると感じる人もいるでしょうが、著者の解説は日曜美術館出演もあって専門美術評論家にいささかも劣るものではありませんし、著者は説明に終始するというようなことをしていません。最も私達が満足することは、本書を読むことで「芸術空間を共有している」と著者が私達に感じさせてくれるということです。画家と作品そして著書と私が一個の空間にあって同じ芸術の空気を共有している、それらすべてが溶け出して一体となるような、そんな至福の気持ちを抱くことができるのです。そのような気持ちになれる方は、本書を無条件に評価するに違いありません。
(もっと読んでよいと思う方は以下もお読み下さい)
姜氏が日曜美術館の司会をされるようになってから、私はその番組を再び観ることにした。私はこれまで氏の著作を手にすることはありませんでしたが、この番組への出演に対して何故か確信的な期待感を持っていました。番組の中で氏は作品や画家について多くを語らなかったけれど、氏の胸に深く何かが刻まれるのを私は感じていました。だから、本書の発刊を知った時、購入したいという気持ちを私は抑えることができませんでした。
本書には、「僥倖(ぎょうこう)」、「懈怠(けたい)」、「韜晦(とうかい)」、「耽溺(たんでき)」などの私達が使わなくなった日本語が要所に顔を見せる。だからといって文章全体は、決して美辞麗句を並びたてたものでもなく、無味乾燥な賛美を繰り返すものでもない。著者の文章は、読みやすく分かりやすいものでありながら、私の心にしみわたってくるものでした。著者の絵画作品に込められた思いを吐露する場面で配置された日頃耳にしない単語も、その漢字本来の意味を自然と感じ取ってしまう程の説得力のあるものでした。本書は読む者に至福の時を与えてくれます。
プロフィールを『「書評」評論人』と名付けたのは、かねてから書籍に組み込まれている「書評」に対し批判的な意見を持っているからです。本文の優れた内容をいくつかの修飾語で総括してしまうような書評は、読者の飽和した豊潤な気持ちをいっきに萎ませるものであり、本文の価値を貶める以外の何物でもありません。よい書評があるとすれば、読者の満たされようとしている思いをより大きく膨らませることができる、そのようなものであるべきだと考えています。
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
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美術評論の体裁を取った優れた哲学書。恐らく、今回の東日本大震災を受けて執筆された物だと思うが、"生きて行く(生かされている)事の意味"を真摯に追求した優れた書だと思った。最終章の題名、「受け入れる力」が象徴する様に、人間はどのような境遇に生まれ、どのような運命に出会っても、それを受け止めて生きて行かなければならないとの主張が、著者自身の悩み・苦しみを交えて静かに語られている。それが、「頑張れ」との無理強いでもなく、「諦めろ」との突き放しでもなく、共に悩みながら生きて行こうという姿勢の中で記述されている。この等身大の姿勢に読んでいて共感を覚えた。

その方法は"自然との一体化"であったり、"祈り"であったり、私心の無さであったりするが、いずれにしても人間の人智を越えた不可知な物への"畏れ"という感覚を著者は大切にしているようである。書中に登場する美術品に対する著者の理解の仕方(美術的評価とは異なる)に、それが表れている。その上で、"人間が生きて行く力"を著者が信じている点が読む者に心強さを与えている。著者が、"憂鬱"と評する現代社会の雰囲気の中で、読む者に自身で考えるキッカケと勇気とを与えてくれる秀逸な書だと思った。
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9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
●姜尚中は基本的に好きで評価しているが、本書はちょっと急ごしらえ過ぎたのではないか?いちいち心臓をつかまれる気がしたり、立ちくらみがしたり、感傷的自己愛(を演出?)が過ぎたのではないか?

●いつもの喋りのごとく澱みなく流れ出るインテリジェントなことばの連続に心を奪われそうになるが、よく読んでみると意外と平凡なことだったり無理に震災と結びつけてしまったような急ごしらえのアラが目についてくる。

●ひとつ例をあげると、「『いま、ここ』の輝きだけに生きている動物たち。その美しさをわたしは『無心』と呼びたいと思います」(P152)は、言い回しはきれいだが言っていることは凡庸だ。
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