綿は米テキサス州産だった。同州ラボック周辺の農地は現在、世界のTシャツの生まれ故郷である。綿作りのように単純な川上産業が、高度なサービス業中心の米国経済で繁栄し続けているのはなぜか。著者は歴史をひもとき、米政府の補助金制度、つまり200年以上にわたり発達してきた綿の生産・販売におけるリスクを緩和する政策が競争優位に影響していると分析する。
綿は遠く海を隔てた中国・上海で糸に紡がれ、布に織られ、Tシャツに縫い上げられる。18世紀に産業が興って以来、繊維・衣料品生産の単純労働は低賃金、長時間労働、粗末な労働環境に耐えて働く労働者が担ってきた。中国は労働者の移動を制限する戸籍制度の下で、従順な労働者を尽きることなく供給している。豊富な労働力と低い人件費により、現在、中国は世界の繊維・衣料品産業に君臨している。
Tシャツの「一生」の大部分に、政治による保護や介入が関わっていることを示し、グローバル化を引き起こしているのは市場ではなく政治や歴史であると結論づける。
(日経ビジネス 2007/02/19 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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