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会議で交渉した相手は、ふんぞり返って周囲を見下すタイプ。独立したての著者を貶めようとする態度に「こんな奴に負けるもんか!」と、戦闘体制に入る。はらわたは煮えくり返っているが、口では相手を褒める。相手がどんなに的外れな意見を言っても、遮ったり間違いを指摘したりしない。してもいない共感を口にして相手をいい気にさせ、話を本筋にもどし、最後にはこちらの主張を受け入れさせた。
しかし、交渉に勝ったはずの著者の心は晴れない。翌日になると、生きるエネルギーがしぼんでいくような気がする。「こちらの主張を通すこと」が交渉のゴールだと思ったが、それは間違いだった。
コミュニケーションのゴールとは「自分の想いで人と通じ合う」ことである、というのが著者の結論であり、本書のスタートである。全編を貫いているのは、「自分の内面に基づく、相手とのつながり」を結ぼうとする強い意思である。
この強い意志があれば、「伝わらない」と傷つくときも、ちょっとした技術があれば伝えることができる。本書では、そのちょっとした技術(自分の言いたいことをはっきりさせる思考法、相手に伝えるための表現技術)を披露している。
人を説得する技術、自分のメディア力を高める方法、共感の方法、信頼の条件。それぞれ著者の経験を基にした話は、「ちょっとした」技術ではなく、大いに参考になるノウハウである。特に「何を言うかより、どんな目線で言うか」には感服した。
最後に著者は「あなたには、自分を偽らず、自分の想いで人と通じ合う力がある」と読者を勇気づけて本書を結んでいる。
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