友人の伴侶が「うつ」になったと聞き、
直接的なサポートはできなくても
愚痴抜き弁にくらいはなりたいと思い、本書を購入しました。
結論から言って、購入して良かったです。
世には様々なうつ関係本が溢れていますし、
「うつの人を見詰める家族」の視線から書かれた本の中には、
読みやすく、口当たり良くアレンジされたコミックエッセイもあります。
しかし、本書は次の点でそれらの書物と一線を画しています。
・真っ正直に、その時々の想いを露わにしていること
・一人の体験談だけでなく、立場の異なる方々の本音を引き出していること
・うつの時だけでなく、その後の経過も追って調査していること
・成功談だけでなく、家庭がうまく行かなくなったケースも書いてあること
他書に散見される柔らかいオブラートは、
間口を広げる上で不可欠なのかもしれません。
けれど、それでは実態が伝わって来ないのです。
なぜ、友人の顔がどんどん暗くなるのか。
なぜ、いつも緊張してビクビクしているのか。
なぜ、何気ない言葉に涙が湧き上がっているのか。
本書を読むことで、初めてその理由にかなり近付けたような気がします。
(勿論、当人の苦しさなど、所詮他人には分かりようがないのでしょうが)
今苦しんでらっしゃる家族の方々や
「うつ」状態から抜け出したのに家庭がぎくしゃくしている方々、
その方々を心配する周囲の方々にとって、
本書が共感を得る上でも、理解を深める上でも、
有益なものであるのではないかと思います。
そして記されたヒントが少しでも皆様のお役に立ち、
息をするのが少しでも楽になることを心からお祈りしております。
最後に売上面のリスクを恐れず、現実を直視した本書に
GOサインを出して下さった草思社さんの英断に心からの拍手を。