子供と大人の境目の中で見た、弱い大人の姿。
弱い大人の感情を理解できてしまう人は、読了後
「理解できてしまったが、自分はこんなことはしない。」と云いたくなってしまう
後味の悪さを感じることになる。
人によって異なるが、この後味の悪さが気持ちの揺れになり、気持ちが揺れることが物語を読むことの醍醐味であるともいえる。
文体は、平坦。内容も、一本筋。文章は、上手いか下手か、よくわからない。
ただ、ハッピーエンドでも、振り切った明日でもないという点が、私は好きだ。
救いがないわけでもないが、イヤなことがあるたびにこんなことを思い出すんだろうなと感じさせる点に、共感はしないが頷いてしまう。
この作者は『ナラタージュ』の時もそうだったが、男の隙・いい加減さ・我儘さを感じさせる行為の描写は上手い。
嫌々ながら、共感させられる。
他人に薦めて、ドンビキされる可能性もある本。
いろんな意味で取扱注意な感じが、私は好きだ。星4つ。