不可能と言われていた、りんごの無農薬・無肥料栽培を実現した、木村秋則さんとの一問一答や、講演のダイジェストDVDを収録した一冊。
本書の聞き書きを担当された石川拓治さんは、木村さんを取り上げた最初の書籍「奇跡のりんご」の著者でもあり、そのためか木村さんが苦闘する過程の描写などには、前著との重複や省略を覚える箇所が少なくないので、木村さんの業績をより掘り下げて知りたいという人には、本書は不向きであると思われる。
一方で「奇跡のりんご」にはない本書の特徴は、掲載されている多彩な写真群と付属のDVD。
主に秋口から厳冬期にかけての撮影と思われるが、様々な草が繁茂するりんご畑で、嬉しそうな表情をみせながら収穫作業を行う木村さんや、深々と降り積もった雪の中でインタビューに答えている木村さんの表情には、何かを突き抜けてしまった人の凄さや優しさが滲んでいる。
文字では分からない、動く木村さん、話す木村さんを見てみたい人には、本書の購入をお薦めしたい。
また、ガーデニングや自然栽培に興味を抱いている人には、巻末の「プランターでできる、木村式自然栽培」が、とても有用な資料。
お子さんの夏休みの自由研究として、木村式自然栽培で作物を育てて、その経過を記した日記を提出してみる、などという使い方も面白いのではないだろうか。