「児童には夢を」とファンタジーや心癒される物語ばかりを推薦するなかれ。
この本は当時小学校低学年だった私と友人を読むたびに大うけさせたツワモノ絵本だった。
大家かこさとしさんは、子供自身がさぐっていって見つける過程を描くのがうまい。
主人公二人は子供と等身大。とても子供っぽい思考の持ち主ですが、
地球上で生きるには家が必要だと発見します。
「家を発見する」
これは「家」という概念がなかった原始人類の体験。
しかしこの主人公たちの世界にはすでに文明の利器あって、ビニール袋やら釣竿やら鍋やらがある。
「家」だけが意識から抜け落ちたような状況なのです。
二人は問題が起こるたびに工夫をし、家をかたち作っていきます。
展開がすごい。風が吹くから壁をつくる。
壁を作ったら出入りができない。だから穴を開ける。
案外たのしそうに外で用を足している男性陣と非常に怪訝な顔の女性。
でも庭が汚れるのはよくないからトイレを作る。
大人だか子供だか分らない二人なのですが、なんとかゼロから日本の現代家屋に
もって行きます。
絵が可愛い。いつの間にか家族が増え、友達が家に集まっているラスト。
家の断面図の楽しさ。脇役の動物たちが共に生きている様子。
家を発見できる本です。