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どの短編も怖いの一言です
奇妙な発想とツイストのきいたプロットも勿論ですが、特筆すべきはそれぞれの短篇が醸し出す独特の魅力的な雰囲気です。「味」の優雅な晩餐会、「韋駄天のフォックスリイ」における寄宿舎生活の描写、「皮膚」のノスタルジックな回想、等々。
ワインが好きな方は、”ワインについて書かれた最高の物語の一つ”である「味」を是非読んでみて下さい。ある晩餐会の席上、主人と客がワインの利き酒をめぐって賭けをする。賭けの対象は、主人の娘と客人の家二軒。決して当てられないというワインを、食通の客人がゆっくりと口に含む…。ワクワクするような書き出しの「味」で幕を開ける本書は、いい加減ありきたりの小説は読み飽きたという方にこそお勧めの、上質のエンターテインメントです。「南から来た男」が有名ですが、個人的には「味」と「皮膚」が偏愛の二品です。毒に弱い方はご注意の上服用下さい。
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