内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
出版社からのコメント
「生活に困った人」が「役所」に「申請」すれば「お金」がもらえる――漠然と、そんな仕組みを思い浮かべるのではないでしょうか。
それは間違いではありません。
しかし、申請さえすればすぐに生活保護受給権が得られるわけでは、決してないのです。
生活保護受給権を得るためには「本気で仕事を探しているのか?」「本当に扶養してくれる人はいないのか?」「生活保護にぶらさがって生きていこうとしているんじゃないのか?」など、福祉事務所職員からの数々の攻撃を乗り越えなければなりません。
それは素人が簡単に乗り越えられるものではないため、本来であれば生活保護を受ける権利のある人が、受給する機会を逸してしまっているのが現状です。
申請の現場への付き添いなど、生活困窮者の支援活動をしてきた著者が、生活保護申請のための具体的なマニュアルを教えます。
カバーの折り返し
しかし、それでもどうにもならないときどうするか?
まず、自分自身が「生活困窮者」であることを認め、「生活保護」という制度を活用しよう。
そのためには、あなたが「生活困窮者」であることを福祉事務所に認めさせなければならない。
ところが福祉事務所は、あの手この手を使って、あなたが「生活困窮者」であることをなかなか認めようとはしない。
では、どうするか?
本書は、こうした現実を踏まえながら、生活保護を勝ち取るための具体的ノウハウの数々を実践的に解説する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1995年頃より、野宿者(ホームレス)問題に携わる。2002年まで、東京・渋谷を中心に炊き出しや福祉事務所への付き添いなどを当事者の野宿の人たちと一緒に行なう。訪れた福祉事務所は、東京23区の大半と東京市部、千葉県、埼玉県など東京近辺。現在、生活困窮者にアパート入居時の連帯保証人提供と入居後の生活支援を行なう“NPO法人自立生活サポートセンター・もやい”事務局長、野宿者・元野宿の生活保護受給者らと仕事起こしを行なう“便利屋あうん”代表、野宿者の法的支援を行なう法律家(弁護士・司法書士)グループ、“ホームレス総合相談ネットワーク”事務局他を兼任。1969年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
あなたは今、生活に困っている。この本はそんなあなたのための本である。
誤解のないように。「生活に困っている」というのは比喩ではない。
たとえば、家族がいて、仕事もあり、収入もあるが、家のローンが大変だ。職場で上司とうまくいかない。イヤな相手にも頭を下げなきゃいけない。家庭での問題がいろいろあってストレスがたまる。おれはめちゃくちゃがんばっているのに、それでも全然楽にならない、大変だ、そいう場合。
こういう人は、この本で言う「困っている」には入らない。
この本で「困っている」と言うのは、物質的かつ具体的なものだ。
たとえば、体を壊してしまい、会社を辞めて(またはクビになって)、生活が苦しくなってきた。しんどい体を引きずりながらハローワークにも通っているが、なかなか雇ってくれるところが見つからない。お金も底を尽いてきた、という場合。
あるいは、仕事が切れてもう長いこと家賃を払えていない。滞納家賃は数ヶ月になり、電気も止められてしまった。いつ立ち退き命令が来るかとビクビクしている、といった場合。
あるいは、年金だけで生活している。節約に節約を重ねているが、最近医療費がかさんで、貯金が底を尽いてきた。住んでいる公営住宅も、今度建て直して家賃を上げるという。どう考えてもやっていけない、といった場合。
あるいは、すでにアパートを出て路上で暮らしている。働きたいが、履歴書を作るにも面接に行くにも、先立つものがない、という場合。
あるいは、夫の暴力から子供ともども逃げ出し、なんとか離婚を承諾させたものの、小さい子供を抱えながらではフルタイムの仕事は難しい。子供にも、何かとお金がかかるようになってきた。離婚したときに持ち出した貯金もだいぶ減ってきてしまった、という場合。
あるいは、仕事をしていて、派遣でぽつぽつ仕事に入れてはいるが、それでは生計が立たずにマンガ喫茶を転々としている。両親とはすでに音信不通になっている。毎日の生活費で給料は消えて、とてもアパートを借りるお金など貯まりそうにない、という場合。
あるいは、どうにもならない状況をどうにかしようとサラ金に手を出してしまった。もう首が回らない。支払いが遅れれば会社にも督促が来ちゃうんじゃないかと必死に払っているが、払うためにまた借りる、そんなサイクルに陥りつつある、あるいはもう陥ってしまった、という場合。
そんな人たちが、この本で言う「生活に困っている」人たちだ。
(中略)
●自分が困っていることをあいてに認めさせるための闘い
第一に、自分が生活に困っている事実を認めること。間違っても、「自分より大変な人はいくらでもいるんだ」などと、自分に言い聞かせてはいけない。実際、たくさんいるだろうが、だからと言って、仕事に就けない、アパートを借りられない、家賃が払えない自分がいなくなってくれるわけではない。
「自分は甘えているだけなんじゃないか?」そんな問いも無用。これらはすべて、生活困窮者であるあなたを見えないままにしておきたい連中の力に、あなたの心が屈してしまっている証と思うべし。
第二に、相手に認めさせなければならない。今度はさっきの「内なる声」が現実の他人の声となって、あなたに浴びせかけられるだろう。「あんたより大変な人はいる。でもみんな自分でがんばっているんだ」、「そんな根性ではこの先、生きていけないよ」、「世の中そんな甘いもんじゃない」などなど。それらを一つひとつ乗り越えないといけない。
それは目の前の他人との軋轢を生む。誰でも、できればそんなことはしたくない。しかし、それをしないと次には進めない。
これは癒しの本ではない。第一段階で自分と折り合いをつけるだけでは不十分なのだ。必要なのは、行き詰っている生活を具体的に立て直すことである。
これは闘いである。闘いなのだから、心してかからなければならない。