森山良子と矢野顕子、年代は近いにも関わらず活動するフィールドが微妙に異なり共演する機会が無かった二人。しかし共に精
力的に音楽活動を続ける二人がまさかのユニット結成!ネット上で聴いた爽快なアコギ音と恋する少女の様な夢見る詞が印象的
な「風のブランコ」の試聴ですぐに購入を決定。内容は期待以上のもので、シンプルだけど良い歌がたくさん詰まっていました。
二人とも伸びやかな高声域をお持ちですが、デュエットで聴くと二人の声色のニュアンスに微妙な違いが見えてきて面白い。森山
さんの声は背筋の伸びる様な美しい発声、矢野さんは少女がそのまま大人になったようなコケティッシュな魅力を持つ声、本作で
は、二人がお互いに持っていない部分を絶妙に補っているような印象があり、その組合せは実に耳に優しく美味しいです。
音楽の方は矢野さんのピアノを軸に、ギターやパーカッション等を交えた割とざっくりした音作りですが、逆に創り込み過ぎていない
ところに開放感を感じられ、録音状態の良さもあり(ピアノの音がとても綺麗に響きます)、二人が楽しんでレコーディングを重ねた
空気がこちらに伝わってくる様で聴いているこちらも楽しくなります。
矢野さん個人名義の近作では重めのテーマを扱った歌が多い印象があったので、今作の様に真っ青な空が似合う様な伸びやかな
言葉と歌声を久しぶりに聴けたのはファンとして嬉しかったです。
大人の女性ならではの感性で描かれた歌詞が共感を呼ぶリズミカルな「温泉に行こう」、二人の艶ある歌が染みるジャジーな吉田
拓郎の「旅の宿」のカヴァー、曲が進むに従い感情の高まり方が素晴らしい「死んだ男の残したものは」等…結局全曲お気に入り。
淡々とした温かさが感動的なラストの「あなたと歌おう」の締めまで聴き手を離しません。
幅広い世代の方に愛される親しみやすさをもった音楽です、是非多くの人に聴いていただきたい。