一見「前世療法」の入門書の体裁だが、実は精神世界と対峙するあり方を説くことに、力点が置かれている。したり顔で「前世」を云々する霊能者(?)のような存在が、幅を利かせている昨今、「前世」そのものは「そらごと たわごと」だと言い切る著者の姿勢には、大いに共感できるものがある。自身が、今現在拠って立つ所を自覚しなければ、精神世界は語れないということだろう。けだし、現実を読み解けない者に、見えない世界を読めるはずもない。著者の主張する「繭玉の世界」は「コスモロジー」という言葉に置き換えれば分かりやすいだろう。所詮「精神世界」を胡散臭いものだと敬遠している層にも薦めたい一冊。