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あっぱれ技術大国ドイツ (新潮文庫)
 
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あっぱれ技術大国ドイツ (新潮文庫) [文庫]

熊谷 徹
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

凝り性で働き者。そんな国民性を背景に、優秀な工業製品を生み出してきたドイツ。でもその底力は意外に知られていない。ポルシェやディーゼル、ツェッペリンなど歴史に残る発明家が数々輩出し、現在では、ニッチな市場に特化することで、世界的なシェアを占める無名の中規模企業が活躍する。在独20年の著者が探る、日本に似ているようでやっぱり違う、ドイツ流ものづくりの秘密。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

熊谷 徹
1959(昭和34)年東京生れ。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。神戸放送局、報道局国際部、ワシントン特派員を経て、’90(平成2)年からフリージャーナリストとしてドイツ在住。欧州の安全保障問題、EUの政治・経済統合、対テロ戦争、ドイツ経済などについて、取材、執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 286ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/12)
  • ISBN-10: 4101322333
  • ISBN-13: 978-4101322339
  • 発売日: 2010/12
  • 商品の寸法: 15.2 x 10 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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この不況の続く日本で、打たれ強いドイツの教訓はたいへん役に立つ。感激して読んだ。
企業経営者から、就職活動を考える学生まで、胸を打たれるだろう。
他に類書を見ない。すでにドイツ滞在20年という著者 日本でもまだ、こんな緻密な職人技のジャーナリストがいるのに驚いた。文庫本だから、買いやすい。
以下に本の内容の一部をご紹介したい。

古都アウグスブルグ。世界の自動封入・封かん機業界でトップメーカーのベーヴェ社がある。一時間に6000通の文書を封入する高速システムのでは世界シェアの47%を確保する。さらに一時間に最大2万2千通の文書を封入するターボプレミアムという機種では、世界市場の9割を抑えている。なんで、そんなにたくさん封筒を作るのかと誰しも思うだろう。だが、毎日、銀行、保険会社、クレジット会社から請求書や利用明細書が郵便で送られてくるでしょう。

個人的には、あんなもの、メールで送ってくれば良いと思うのだが、そうはまだいかない。日本最大の郵便の使用者NTTグループは月に6000万通の請求、明細書を発送するそうだ。アウグスブルグで組み立てられた機械が全国15箇所のNTT文書センターで13年前から、全部同社の機械になったそうである。

封書ののりづけ部分は0.1ミリの誤差までしか許さないとか。 日本人も細部にこだわるが、それに答える、ドイツの企業も凄まじい。製造拠点はアメリカに一箇所あるがあとはアウグスブルグの工場だけだそうだ。

ごたぶんにもれず、ヨーロッパにも、人件費が安い国はいくらでもある。
ドイツ国内の工場を閉鎖して、東ヨーロッパに工場を作る企業も多いそうだ。何しろ、ルーマニアに工場を持っていけば、人件費は11分の1になる。
ポーランドで6分の1。有名なフィンランドの携帯電話メーカー、ノキアはドイツ工場を閉鎖して、ルーマニアに組み立て工場を移転した。

だが、ベーヴェ社はアウグスブルグから動かない。技術集約型の開発と生産を維持するにはドイツでなければという。私などには懐かしい、アメリカの
ベル&ハウエル社はベーヴェ社に買収されたとのことだ。駆け出しの時のフィルム・テレビカメラがこの会社のカメラ。

技術集約型もしくは知識集約型のB2B業界では、産業の空洞化は起こりにくいと著者は指摘している。ドイツの世界企業は中規模企業が多く、必ずしも、一般消費者が名前を知っている会社ではないようだ。

我が国の日本経団連に当たる、ドイツ産業連盟やドイツ経営者連盟のの会長もいずれも中企業の経営者だ。この辺は日本とだいぶ違う。

輸出産業として、ニッチマーケットで成功を収めた家族経営の企業も多いようだ。こうした企業は社名が広く知られるのを好まないようだ。特殊なマーケットで、名前を知られれば十分ということ。高い広告費は不要。
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By U
文庫本でお手軽に読めて内容も充実、ドイツの産業や技術に関する内容の本は中々見かけないのでそういう意味でも良書だと思います。著者はドイツ在住20年のジャーナリストでドイツ関係の様々な書籍を出版されており、いい加減な事を書く学者・評論家もどきよりもかなり優秀なジャーナリストだと拝見しました。

要旨
ドイツの産業競争力の中心であるドイツ経済を支えるミッテルシュタント(Mittelstand)(日本でいうと中小企業にあたる言葉・概念です)の紹介及び、なぜ高い技術力や競争力を有するのかを歴史的な背景、発明者魂や産業政策、ドイツ社会の特徴までを結びつけて論じている。

確かに、一時期までは 「MADE IN GERMANY」というと非常にブランド価値が高かった。高校の授業でもドイツの産業で刃物(ゾーリンゲン)やカメラ(ライカ)工具、文房具について習った気がする。(懐かしい)

ドイツも日本と似ていてモノづくりにこだわる民族性のようで、現代でも機械分野で特に産業用機械では非常に有名です。かなりニッチな分野やBtoBの産業用分野なのであまり一般の人にはなじみがないと思います。
この本で挙げられているベーヴェ・システック社については、以前メーリング(報告書などを郵送するサービス)を代行する業者がここの機械を使っていた記憶があります。料金も決して安くなかったけど、封入した書類の重さを計測していて重さが違うとセンサーが反応したり、封入した郵便物の住所なんかは高速カメラで全てチェックしたりと通常の封入する機械とはレベルが違いました。

・ベーヴェ・システック社 日本法人>>www.boewe-systec.jp/systec_jp/home-jp.html

後、オペラカーテンメーカーやコーヒー用ペーパーフィルターメーカー、ペット用の伸縮式リーダーなど
様々な会社が紹介しれていますので、ぜひお読みください。

後、皆さんが知りたいと思われる日本の中小企業にも通じる大事な問題についても述べられてます。

日独ともに製造業に関して、ただ部品を組み立ててマーケティングして販売する大企業と、技術力や創造力に優るが規模や資金力で劣る優良な中小企業とどちらに未来があるのかという大命題です。

昔、中小企業専門の銀行にいて、中小企業のダメな部分も一杯見ましたが一方で日本の大企業がバブル崩壊以降、市場をワクワクさせるような製品やサービス(最近ではアップルのiPADやiPHONEなんかがこれにあたります)を生み出せていない。下請けの中小企業の叩いてタタイテたたいてコスト削減して高給をもらってふんぞり返っている。ダメダメな姿も多く見てきました。

この本では、ミッテルシュタントの将来についてミッテルシュタントを研究されているドイツのアウグスブルグ大学のホルスト・ハヌシュ教授の言葉でこう分析しています。

「21世紀の経済で、技術革新が重要であり続けるか。そこが鍵ですね」
「ドイツのミッテルシュタントの強さは、技術革新と創造性です。したがて21世紀の世界経済で技術革新と製品の差別化、個別化がさらに重要になってくる場合には、ドイツのミッテルシュタントは成功し続けるでしょう」
しかし、製品の差別化よりも大量生産や多額の費用をかけた研究開発など大企業でなければ達成できない「規模の経済」が重要になった場合、ドイツの中規模企業は苦しい立場に置かれると予測している。

まさに、1990年以降のグローバル化の波で、新興国や大企業の力を強める規模の経済で動いてきました。しかし、歴史を見ていてもこの流れが永遠に続くわけではありません。大きく振れた振り子は必ず反対側にも大きく振れます。

日独ともに雇用や将来を担う中堅・中小企業について考えるのにも良い教材と思います。
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By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
 この本は、具体的なドイツ企業やドイツ人技術者・発明家を紹介しながら、「技術大国」としてのドイツの素顔を具体的に紹介しています。

 私は、特に次の点に興味をひかれました。
(a) ドイツの技術を理解するためには「テュフトラー」(実際に手を動かして試行錯誤して、さまざまに実験し考えることで新たなものを生み出す)ということばが重要。つまり、頭の中であれやこれや考えるだけの理論家肌の技術者ではなく、実際にモノをつくって試してみる伝統がある。
(b) たとえば郵便物を自動的に封入・封緘する機械を製作しているベーヴェ社のように、ドイツ企業は、中小規模だが特定分野に強い企業が存在する。これらの企業は、特定のニッチ市場の分野で高い技術があり、しかも顧客にあわせてテイラー・メード的な要素をもっているため、他国企業に模倣されにくい。
(c) 高い技術力を背景に、人件費の安い国々への産業流出を起こさずにドイツ国内で生産を続けている企業が多い。そして、社会保障によって、国民の経済格差を抑えて貧困率を下げている。

 いくつもの具体的企業や技術者・発明家が紹介され、それぞれのエピソードはなかなか興味深いです。また、著者自身によるイラストも相当上手で、この本を読みやすいものにしています。
 さらに私にとっては、南西部のバーデン・ヴュルテンベルク州のシュヴァーベン人がなぜ技術力の高い人々となったかが、歴史的経緯から説き起こされているのは大変興味深かったです。

 ドイツの技術力を(大企業中心でなく)中小企業を中心にとらえた、ユニークな良書だと思います。一読の価値は十分にあります。
 なお、本書は、文庫オリジナル作品とのことです。
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