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さて、以前別のところで氏の『夢幻の宴』をとりあげたとき、氏
について「文壇での評価とはまた別のところで倉橋氏は独自の価値
を有し続けているのではないか」と述べたが、この作品を読んでい
てそのことを裏付けるかのような記述がかなり目に付いたのが特に
印象に残った。要するに倉橋氏にとって文壇というのは、文学オタ
クによる文芸サークルの延長上にあるもので、児戯に等しいものと
見なしているようなのだ。その文壇における決して陰惨さや嫌みを
感じさせない孤立無援ぶりには、感服するばかりである。
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