哲学の入門書の中ではもっとも分かりやすいものでしょう。あまり哲学者の名前を出さずにとにかく自分の頭で考えようという方針で書かれています。
ただし、説明がくどく感じられたりノンセンス大全といった感じの例が長く続いたりします。
同じ問題が何度も出てきて、しかもその問題設定自体が無意味だと言うことになるとちょっと脱力します。
繰り返しなどを削れば文庫でもかなりコンパクトな本になったでしょう。
全体的には哲学と言うより論理学入門もしくは言語哲学入門という印象です。
非文についての説明が大半なのでむしろチョムスキーとかの言語学に近いかと思いました。『ツチヤ教授の哲学講義』は難しかったのでそれを気にしてやさしくしたのだと思いますが、やや丁寧すぎると感じました。
本書の意図とは反するでしょうが、哲学と言語学は区別できないものだと思えてきました。
他の哲学入門のたぐいで挫折した人にとってはすくいになるかもしれません。本書をまず最初に読んでから他の本に進むといいでしょう。誰の訳かは分かりませんが非常に難解なヘーゲルの論理学の一節が引用されてこれは分からないものだと知り、いきなり原典に飛びつく危険性を教えられました。
哲学の最初の一冊としては意味があると思います。ただ『哲学講義』などを読んでいる人はここに書かれていることは自明のことかと思います。