『シャングリ・ラ』とか『テンペスト』とか、著者の大長編が大好きな自分だけど、こういった短編集も味わい深くて良かった。ますます、ファンになりそうだ。
この短編集は著者初ということだが、今まで彼の短編はあまり読んでこなかった。この文庫は、2002年に出版されたが、もともと1999年に実業之日本社から『復活、へび女』というタイトルで出版されたもの。今まで読んでこなかったのが惜しまれるぐらい面白かった。
収録されているのは8編。
・マブイの行方
・サトウキビの森
・失踪する夜
・カジマイ
・復活、へび女
・前世迷宮
・宗教新聞
・木になる花
著者らしく、沖縄ものもあるが、それ以外の短編も収録されている。しかし、どれも、ファンタジックで、読んでいて、どこかホッとする筆致で、優しさを感じるものばかり。
その中でも、気に入ったのは、「復活、へび女」と「宗教新聞」。これまた私が好きな作家である森見登美彦や万城目学を思わす雰囲気がいい。もちろん、池上永一のほうが世代的には先だけど。自分は、こういう人小説が好きみたい。