時の精霊たちが経営する時間銀行。その三大業務のひとつ、人間向けのリコレクト回収業務を担当する社員のシーヌ・ポックルに従って、高校生の往時洋斗はアルバイトをしている。
リコレクトというのは、人の記憶の中にある、過去に縛られた時間のこと。後悔の記憶はその人生の中で何度も思い返され、蓄積されていく。それを回収して有効活用できるようにするのがリコレクト回収業務だ。洋斗は、自分が時間銀行から借りた時間を返済するため、この業務を手伝うことで時間を手に入れている。
なぜ洋斗が時間を借金することになったのか、その事情は3話目で明かされる。逆に言えば、1話目・2話目は、なぜか分からないけれど、高校生が時の精霊と一緒に時間の取り立てをするという展開になっているのだ。
構成として、序盤に謎を持たせたまま興味を引き、効果的にその謎を解明することで盛り上げるという手法はあるとは思うが、主人公の動機に関してそれをやると、設定自体がよく分からなくなる恐れがあるため、注意が必要である気がする。実際、この物語を読む時も、背表紙の梗概がなければ何のことやら分からなかった。
ただ、3話目以降はその謎も明らかになり、遡って1話目、2話目もスッキリするので、段々面白い気がしてきた。設定の時間計算に若干分かりにくいところはあるが、考え方自体は面白いと思うし、それを人情話と結び付けているところが良い。冷酷な数字と人情という、相反するものが一緒に物語を作るのだから。
さすがに連載時はもう少し分かりやすい構成になっていたと思うので、そちらの方が良かったのかもしれない。もし連載時もこんな感じだったとすると、読者はかなり置いてかれたんじゃないかな?ボクもてっきり、これが2巻以降なのかと思ってしまった。