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あすなろ物語 (新潮文庫)
 
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あすなろ物語 (新潮文庫) [文庫]

井上 靖
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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登録情報

  • 文庫: 224ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1958/11)
  • ISBN-10: 4101063052
  • ISBN-13: 978-4101063058
  • 発売日: 1958/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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By @poor work トップ500レビュアー
形式:文庫
井上靖氏の自伝的小説であり「しろばんば」以後、という見方もできる。

ただし完全な自伝ではなく、虚構を交えている。

6部構成の物語は、主人公・鮎太の少年時代から成人時代までを年代順に追ってゆく手法。

そこに太平洋戦争終戦までの時代のうねりを重ね合わせ、それぞれの時期に出会った人々の姿を、

鮎太の目から印象的に映し出している。

檜になりたくても、決してなれない翌檜の木を比喩として、懸命な生を仮託する。

多くの人との交わりを通じ、雑踏の中にある孤独と、高揚を同時に描き出している。

最終章における、廃墟から立ち上がろうとする逞しい人々の姿の描写には、

井上靖氏の中にある人間愛の形を見るような気がする。

人はそれぞれ孤独であり、それゆえ時に狂おしいほど人を求め、奇妙に交錯しながら明日を探す。

井上靖作品の中に共通して見られるテーマだと思うが、あすなろの木の姿によって、それが象徴的に描かれている。
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ふとしたきっかけで、昔、少年の頃と青年の頃と2回読んでいた本書をまた読み直した。そして、気がついたことがあった。文庫本の宣伝文には自伝的小説としばしば書かれるが、それは、この本の特徴を誤解させている。井上さんは、明日は檜になろうという「人間全てあすなろ」仮説をもってこの本を書いたのである。そのことの意味を今回ようやく読みとったのである。

この本は六つの章からなるのだが、少年の頃読むと、少年鮎太を描く二章までが面白くあとは流してしまう。青年の頃読むと、最後まで一応、筋を追えるが、中高年時代を描く五章、六章あたりへの関心は薄れがちである。それに、各章に登場する個性的な女性を追って読むことも出来る。

しかし、今回読んみて、肝心なところが最終章にあることに気がついた。あすなろ仮説は、ここにおいて収束するのである。すなわち、終章の冒頭、こう書かれている:「明日は何ものかになろうというあすなろたちが、日本の都市という都市から全く姿を消してしまったのは、B29の爆撃が漸く熾烈を極め出した終戦の年の冬頃からである。日本人の誰もがもう明日と言う日を信じなくなっていた」と。終戦間際になると、戦争を遂行する日本という国の不条理を誰もが無意識のうちにでも感じていて、希望というエネルギー源を無駄に燃やし尽くしてしまい、夢をもてなくなっていたのである。

また、同じく終章で戦争が終った末尾近くでは次のごとくである:「気付いてみると、あすなろは今や、オシゲと並んで歩いて行く彼の周囲にもいっぱい氾濫していた。・・・人々は誰も彼も、自分をのし上がらせるために血みどろになっていた。僅か十ヵ月足らずの間に、すっかり世の中は変っていた」と。誰も彼も、多様な夢を持ち、新しい生活を作り出せることを喜んでいた。中には、抜け駆けして一攫千金をねらう輩もいたのだけれど、それに止まらず、檜になることが可能になったのであった。

終戦を挟んだこの大きなギャップをあすなろに掛けて描いて見せたこの本は、実は、極めて現代的なのかも知れない。あすなろが駆逐されようとする現代の閉塞を打ち破って、あすなろを氾濫させる必要がある。あの戦争直後の、夢と希望に満ちた時代を、現代風によみがえらせること、それがいかに重要かを、私は「あすなろ物語」を最後までしっかり読んで掴んだのである。六十歳の半ばにして、私はこの本をようやく読了した。
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
井上靖さんの自伝的作品。
それぞれの年代に分けて6つの話が次々に感動へと導いてくれる。
少年期・青年期・成人期と進む中で様々な人と出逢う中で、女性との関係が非常に魅力的でした。
主人公・鮎太の恋心とコンプレックス、そんな想いを押しのけて、「ひのきになれないあすなろ」のように、あすなろう、あすなろうとする健気な姿に、青春時代のもがきを感じます。
この本はその鮎太の姿を借りつつ、同時に戦後の日本の「あすなろう」とした姿を描いていて、感動しました。

また、ライバルである左山町介との奇妙な友情関係など、泣ける部分も多くあり、200ページとは思えない大作ぶりです。

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投稿日: 11か月前 投稿者: ゆりぼん
50年の時を経ても色あせない青春小説
読み終わって、解説でこれが井上靖の自伝なのだとわかって驚きました。
50年以上も前の小説ですが、すこしも色あせることのない青春小説です。
投稿日: 23か月前 投稿者: にゃんたこす
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投稿日: 2007/12/27 投稿者: Tomoco
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投稿日: 2007/10/6 投稿者: 大辺利一
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投稿日: 2007/9/9 投稿者: k-um
美しい女性によせる純真な青年たちのひたむきな片恋
あろなろとは、明日は檜になろうとしている人々の物語だという。主人公である鮎太は井上靖の分身ともいえる。彼のさまざまな女性たちとの出会いと人間的成長をからめて書く。... 続きを読む
投稿日: 2006/7/27 投稿者: MMMSSSmmm
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