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5つ星のうち 5.0
岡嶋二人の事実上の処女作,
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レビュー対象商品: あした天気にしておくれ (講談社文庫) (文庫)
三億二千万円という空前の値がつけられた競走馬セシアが、馬主の一人・鞍峰の牧場に移される途中で不慮の事故に遭い、足の骨を折ってしまった。 他の馬主に知られたら、多額の弁償を強いられることになる――そうした事態を 恐れた鞍峰は、競馬秘書の朝倉が考え出した狂言誘拐――セシアを盗まれた ていにして身代金を要求する――を実行し、何とか責任逃れをしようと画策する。 2億円の身代金を要求する脅迫状を馬主たちのもとに届けるが、実際には身代金の 受け渡しは行わない――というのが、朝倉の立てた計画だったのだが、その計画が、 何者かに洩れていて……。 狂言誘拐を扱った倒叙ミステリで、中盤からは、朝倉たちの計画を知り、裏で 暗躍しているのは誰か?――というフーダニットの要素も盛り込まれています。 また、競馬場ならではの身代金受け渡しのハウダニットは、極めて秀逸な トリックで、乱歩賞選考の際になされた批判――前例があり、しかも現実 には実行不可能――が、いかに的外れなものであったかがよくわかります。 終盤には、事件の構図を反転させる、鮮やかなどんでん返し も用意されており、最初から最後まで読者を退屈させません。 作者の美質が凝縮された、知的エンターテインメントの傑作です。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
岡嶋作品の最高傑作!,
By ken (京都府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: あした天気にしておくれ (講談社文庫) (文庫)
競馬がテーマということで、競馬を知らない人に受けなかったのかな?内容からすると、乱歩賞を受賞すべき作品だったように思います。
5つ星のうち 5.0
緊密に構成された完成度の高い作品,
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レビュー対象商品: あした天気にしておくれ (講談社文庫) (文庫)
3億2千万円もするサラブレッドの誘拐事件を軸にしたミステリー。「序章」でいきなり緊迫した事件が幕をあけ、「第1章 日曜日」から曜日ごとに1章が割り当てられ「第7章 土曜日」へと続き、最後に「終章」で事件は終わります。 私は、途中で何度も「このストーリーはこんな展開で、結末はこんなかな?」と予想しましたが、複雑に絡み合い二転三転する展開で、どんどん新要素が加わって、「えっ。またこんな展開が・・・・」という感じでした。どんどん新たな展開になるのに、いいかげんな進展ではなく、緊密に構成されたしっかりとした作品なのです。 本書は、かつて次々とすばらしい作品を世に出した岡嶋二人(2人の共作者)の事実上の処女作ですが、最初からこんなに優れた作品が出せたということに驚嘆します。 競馬界(レースや競走馬の牧場)のシーンが多く、私はあまりそのタイプのミステリーを呼んだことがなかったので、その面でもとても興味深い作品でした。 本書は、主人公の一人称の語りで物語が進みますが、その心象風景はやや重苦しく、ほの暗い感じのする作品です。軽い読み物が多い中で、このような重厚なテイストはあまり好まない人もいるかもしれませんが、私は本格的と感じ、堪能しました。 二十数年前の作品ですが全く古さを感じさせない、第一級の作品です。
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