タローはどんな思いで石岡駅に通い続けたのでしょうか。飼い主に会えなくてとぼとぼ同じ道を戻りながらも、この本の表題のように、「あした会えるさ」と毎日、毎日、気を取り直していたのでしょう。タローのけなげさ、ひたむきさに心揺さぶられ、なんど涙をぬぐったかわかりません。
それにしても、もし飼い主とその家族がほんとうにコロ(タロー)を愛していて、本気で探したのなら、17年も飼い主の姿を求め続けるという、心を引き裂かれるような思いをタローにさせることはなかった。すぐに飼い主のもとに戻って、心安らかな一生を送っていたでしょう。この本が教えていることは、タローというすばらしい犬がいた、ということよりも、犬という動物は、あだやおろそかで飼ってはいけないということです。犬の飼い主へのひたむきな愛情にこたえることのできる人だけが犬を飼う資格をもつのです。