糸杉柾宏「あきそら」4巻。
OVA化も決まり、単発の作品でなく真っ当に面白い長期作品になってきている印象の「あきそら」。
この4巻もいつも通りの、しかしいつも通りと思いや関係性の微妙な変化や今後への複線、また表現力の向上など
様々な展開に向けての用意がなされていると思われる一冊であり、後々の事を想像するのも面白い。
勿論、単純に一つの話としても面白くて、そしてどこか危険な匂いのする話ばかり。
この漫画を読んでいる時は、思春期真っ只中の中学生に戻れる気がする。
背徳感の煽り方が非常に上手い。
や、元々より上手くなってきたというか。「こんなこといいの?」ってドキドキするのです。
その感覚が味わえる限り、この漫画はこの漫画だけの機能を果たしていると思います。
キャラクターの心情にも、今までとは違う微妙な変化がそれぞれにあって、その部分を垣間見るのも楽しいし。
また、ナミと澄弥さんについてはこれまた面白い可能性、展開が生まれそうで、そこを考えるのも楽しいですね。
個人的には今までと同じくらい楽しめた一冊でした。
それで、感傷的なシーン、モノローグが増えてきているようにも感じます。
一切行為のシーンがない第17話での母親の葛藤や、それを巡る一連の行動はこの漫画の売りから外れた面白さがあって
私的にかなりの読み応えを感じました。
こういう話もまたちょくちょくやって欲しいと思う。第19話もいつも通りの話、と思いやモノローグの使い方が上手くて
終わりまでドキドキしながら読めたし、最後に収録されているルナの話も往々にして傑作。
というかルナの回はいつもインパクト抜群で印象に強く残る。
と、個人的にはただ行為に至るだけじゃない、それ以上のものがある漫画って見解はこの巻でも強くて
突き詰めれば更に上に行けそうな気もする。
この先、どんなに辛い展開や嫌な展開が待っていても最後まで読んで行こうと思います。
なんなら、大作的に続けてもいいと思うし。
極めてアンモラルで、堂々と胸張って薦める事の出来ない作品ですが、自分はやっぱり感じるもの、いっぱいありました。
お気に入りの作品です。
ちなみに「姫と勇者」は、番外編的な感じで読むのが一番かと。たぶん。