糸杉柾宏「あきそら」2巻。
性的な意味で壮絶な話ばかりが収められている正に核弾頭とも言える巻。
特に第6話「恋人たちの午後」は、
ちょっとこれは完全にアウト、というか表紙だけ見て買った人にはあまりにも刺激が強すぎる、禁断とも言える展開が待ち受けている。
それでも糸杉柾宏の絵がとても可愛いのでポップではあるのだが、
全体的な雰囲気の異常さは読み手が引くくらいの背徳感があった。
そして最後のソラの表情とセリフも絶妙だ(雑誌掲載時のアオリが入っていれば更に完璧だった)。
一歩どころか、何歩も何歩も道を間違えて深みにハマっていく登場人物たち。
逃れられない自己責任と狂気のはざまで悩み、苦しむも扇情的な快楽には勝てない主人公のソラ。
特にこの巻ではソラの双子の妹であるナミの存在がとても印象的。
ソラに対する当てつけのような「あの」行動や、詩的な表現を使った彼女の喪失感。
一見バカバカしくも思えるが、ここまで掘り下げた感情描写をされると流石に何かを思わずにはいられない。
詳しくは描かれていないが、きっと幼少のころから色々と兄に対するコンプレックスがあったのかと思う。そういうことを想像させるエピソード。
しかしこの巻でベストだと思ったのは冒頭に収められている3人の母親の話であった。
ある意味、これが1番衝撃的で話のトーンもやけに暗く、必要以上にシリアスだ。作品の趣旨からずれている感じもする。
しかし不覚にも「お母さん」が吐き続けているという嘘に少し切なくなってしまった。
これもまた、間違いなのだろう。優しい優しい間違い。
限りなくアンモラルで、衝動的な2巻目。もちろん胸を張って勧めることは出来ないが、何かしら感じるものがあればいいと思う。
個人的にはどうしても終わりまで見届けたい物語です。
最後に、帯と広告で重大なお知らせが。12月発売の3巻に業界恒例になったアレが付くという情報。 スタッフの人選に驚き。特にアキの声とか。