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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
心地よい熱気を帯びた小説,
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レビュー対象商品: あかね空 (文春文庫) (文庫)
NHK時代劇「次郎長・背負い富士」が好評な山本一力氏(原作は『背負い富士』)。本書は氏の直木賞受賞作。上方から江戸に下った豆腐職人の親子二代にわたる人情時代小説である。食べ物の描写が魅力的な時代小説には外れがないというのがわたしの経験則だが、江戸の、上方の豆腐が目に浮かび、手ざわり、舌ざわりが感じられるようで、やはりそれに見合う鮮やかで手応えのある物語だった。 第一部では、豆腐職人永吉と妻おふみが苦労の上成功し、三人の子を授かる様が描かれる。しかしそれぞれの思いがすれ違いぎくしゃくしていき、店潰しを目論む同業者なども絡む。親の他界後、葛藤は子どもたちに引き継がれる。葛藤の理由が明らかにされ、もつれた糸がほぐれていくのが第二部だ。 第二部では、子どもたちをはじめ、次男の嫁など複数の視点から、謎解きめいた形で第一部が語り直されていく。よって時間が行きつ戻りつし、戸惑い立ち止まる箇所があるが、自分にとってはそれがどんどんページを繰りたくなるこの物語をじっくり味わうためのほどよいブレーキになった。 本作執筆のきっかけには山本氏の実体験が動機になっているそうで、思い入れの強さが滲んでいる。が、ひとりよがりの押しつけがましい物語にならずに踏みとどまっているのは氏の筆の力と思う。氏の提唱する「家族力」。親子二代の時代小説という形式を得て、シンプルであたたかみのあるメッセージとなった。 縄田一男氏の解説も、本書にほれ込んだ人だけに熱が入っている。直木賞選評なども引用されており読み応えがあった。
24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
夫婦の愛,
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レビュー対象商品: あかね空 (単行本)
京都から本物の豆腐の味を伝えようと、江戸へ一人でやってきた栄吉。桶屋のだんなにとても親切にしてもらい、自分の店を持つことができた。 その桶屋の娘おふみと結婚し、二人で力を合わせて豆腐屋をやっていくが、 江戸の硬い豆腐に慣れた人達に、上方の柔らかい豆腐はなかなか受け入れられなかったが、おふみの努力と、栄吉をかつて亡くした息子のように見えてしまう近所の豆腐屋の夫婦の助けによってどんどん得意先は増えていく。 人間とは、家族とは、夫婦とは・・・と考えさせられる心の温まるいい小説です。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
苦難を乗り越えてこそ…。,
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レビュー対象商品: あかね空 (文春文庫) (文庫)
京都から出てきた年若い豆腐職人の永吉が江戸で京風の豆腐屋を開業し同じ長屋の一人娘・おふみと恋仲になりそして結婚…。 最初は江戸の人々に馴染まれなかった京豆腐も熱心なおふみの売り込みと 真面目・堅気な永吉の創意工夫で順調に発展していきます。が、 三人の子供を育てていく中ですれ違い、葛藤、二人の仲は険悪なものに。。 特に長男を溺愛するおふみには永吉をはじめ弟妹も辛い思いをさせられます。 それから永吉のあまりにもあっけない最期はかわいそうでした。 (永吉が主人公だと思っていたばかりに。) しかし傳蔵は相州屋の行方知れずの子供だったのですね。 (ハッキリとは書かれてはいませんが) 最後まで京やの一家は相州屋に助けられた 合縁奇縁の因縁めいたハッピーエンドも素敵でした。 一人一人の胸の内の描写も丁寧でそれぞれに共感しながら読みました。 ただあまりにも性格が変わったおふみだけには感情移入ができませんでしたが。 人生は困難、苦難の連続だけど乗り越えてこそ真価が輝くんだって 読み手に力強さを与えてくれる一力さん作品の中でも 直木賞受賞作である本書は傑作です!
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