梶芽衣子のニューアルバム。アルバムというには収録曲は7曲で30分に満たない収録時間であるが、それを補って余りある梶芽衣子の歌力が感じられる。意外にもアレンジはロックを基調にしたもので、「怨み節」の頃と変わらぬ歌声、節回しが聴ける、古くからのそして若いファンにも十二分に楽しめる充実した作品。インナースリーブの宇崎竜童氏の言葉にあるようにこなれていなくて、そこがとても新鮮に感じられる。
特に『あいつの好きそなブルース』は傑作で、囁くような呟くような歌い方の中に滲ませる女の静かな・したたかな情念は圧巻。アコースティック・ギター一本で歌われる『あゝ、ブルース』も渋くてカッコイイ。是非ライヴをやって頂きたい、聴き終えて心からそう思える作品だ。あれ、なんだか見事宇崎氏の術中にはまってしまったな…。
それはともかく、やっぱり梶芽衣子はイイ。懐メロでもなく感傷でもなくまぎれもない「今」の梶芽衣子がここにいる。