水木ファンにとって「総員玉砕せよ」は、あまりにも有名である。だが、ここに収録されているのは、あの長編ではない。昭和48年に「劇画ゲンダイ」に発表された、同名の短編バージョンなのである。ストーリーも結末も、かなり長編とは違う。すごい。こんな作品があること自体、私は知らなかった。
また、「硫黄島の白い旗」は1991に講談社から出た戦記ドキュメンタリー4巻のうちの「白い旗」とは、別物である。ほぼ同じテーマながら、鬼軍曹がスーパーヒーローとなって八面六臂の活躍で部下たちを鼓舞する作品。平成3年に「小学六年生」に収録されたマイナー作品が最後に収録され、初単行本化作品が目白押しである。
「天国と地獄」のみ、すでに単行本に収録されたことがあるが、今は文庫本以外は絶版が多いので、判が大きい分読みやすく貴重である。
水木ファンは入手しないと後悔する。