故・
梶原一騎氏の実弟であり、作家、劇画原作者、映画プロデューサーとして多方面で活躍し、世界空手道連盟真樹道場主席師範でも著者・真樹日佐夫!
今年で作家生活50周年を迎えた真樹先生の自叙伝的な本書であるが、過去に真樹先生は何度も自身に関する書籍を出されていたのでどうせ過去の書籍の焼き直しだろうと思って読んでみたが、もちろん前に書かれた挿話(主に生前の兄・梶原一騎との交流の挿話)も含まれているもののそれ以外の挿話(兄梶原死後の挿話)なども多く含まれており、興味深い内容となっている。
なかでも序章の50周年記念パーティーの宴の模様や映画『
あしたのジョー』〈2・11公開、監督:曽利文彦〉にまつわる挿話(特に主演の矢吹丈役である
山下智久氏との初対面のやりとりや本作に対する辛口の感想は面白く)は興味深い。
今回は、引用文献が多数含まれた展開が多いため些か読者にとって辟易するところがあるかもしれないが私自身知らなかった内容も多く描かれており、内容的にはよかった。
例えば、『
巨人の星』の大ヒットにより、一躍時の人として紹介された兄・梶原一騎と弟・真樹氏の全文や著者の代表作『
ワル』のヒットにより連載時に送られた読者のファンレター(当時の読者が作品に対してどのような印象を抱いていたのかがよくわかる)、また兄・梶原一騎への漫画家関係者による追悼文全文を掲載するなど資料としても貴重な内容であり、他にも映画監督・
鈴木清順氏(兄・梶原一騎が製作した『悲愁物語』を監督)や作家・
飯干晃一氏、闘病中の
力也氏(映画『非情学園ワル』で出演して以来、数十年来の仲)との対談も掲載されていて読み応えがあって面白い。
また自伝のなかで初めて長年深い関係にあった年上女性の存在について明かされており、その方が亡くなられた事により、その方を通して自身の半生を振り返るところも無頼派作家である真樹先生らしい本作の特徴である。